お酒の「抜ける時間」を自分で計算する方法と、その落とし穴
「ビール500mlは何時間で抜ける?」「缶ビール2本だと?」。よく検索される問いです。おおよそを自分で見積もる方法は、じつは2ステップでできます。ここでは順を追って説明し、最後に大事な落とし穴もお伝えします。
先に結論から。ここで出る数字は、あくまで平均的な目安であり、お酒が抜けたか、運転してよいかの判断には絶対に使えません。その理由は後半にあります。
ステップ1:純アルコール量(グラム)を出す
お酒の「量」は、見た目のmlではなく、含まれる純アルコールのグラム数でそろえて考えます。計算式はシンプルです。
純アルコール量(g) = 量(ml) × 度数(%) ÷ 100 × 0.8(アルコールの比重)
たとえば5%のビール500mlなら、500 × 0.05 × 0.8 = 20g。よく飲むお酒だと、だいたい次のようになります。
| お酒(例) | 純アルコール量のめやす |
|---|---|
| ビール(5%)350ml | 約14g |
| ビール(5%)500ml | 約20g |
| 缶ビール(5%)500ml × 2本 | 約40g |
| ハイボール(7%)350ml | 約20g |
| レモンサワー(7%)350ml | 約20g |
| 日本酒(15%)1合(180ml) | 約22g |
| ワイン(12%)グラス1杯(120ml) | 約12g |
| 焼酎(25%)ロック60ml | 約12g |
何杯か飲んだら、それぞれの純アルコール量を足すだけです。度数と量を入れれば自動で計算する計算ツールも用意しています。
ステップ2:分解のおおよその時間を見積もる
分解の速さには、よく使われる目安があります。「1時間あたり、体重(kg)×0.1g くらいの純アルコールを分解する」というものです。[1] 体重60kgの人なら1時間に約6g。缶ビール2本(純アルコール約40g)なら、40 ÷ 6 で、少なくとも約7時間はかかる計算になります。
ここで「少なくとも」と書いたのには理由があります。この式は平均的な値で、実際にはこれよりも長くかかることのほうが多いからです。短くなる方向に見積もると、危ないほうに外れてしまいます。
落とし穴:この数字を信じすぎない
早見表も計算ツールも便利ですが、出てくるのは「平均的な誰か」の数字です。実際には、次のような理由で大きくぶれます。
- 分解の速さは、体質(分解酵素のはたらき)・体格・その日の体調や食事で人それぞれ変わります。[1]
- 「ちょうど抜けた瞬間」を数字で言い当てることはできません。分かるのは「少なくともこれくらいはかかる」という下限だけです。
- 水やコーヒー、サウナ、仮眠で分解そのものが速くなるわけではありません。効くのは「これ以上飲まないこと」と「時間」だけです。
なぜ「誰にでも当てはまる一つの数字」が存在しないのかは、こちらの記事でくわしく整理しています。
運転の判断には、絶対に使えない
ここははっきりさせます。どんな計算も、運転してよいかどうかの判断には使えません。 日本の道路交通法では、呼気1Lあたり0.15mg以上のアルコールで酒気帯び運転となり、基準は非常に厳しく定められています。早見表も計算ツールも、実際に測ったものではなく入力からの見積もりにすぎません。「もう抜けているはず」は、ハンドルを握る理由になりません。飲んだら運転しない。それが唯一の答えです。
Nomichoでの見え方
Nomicho(飲み帳)は、この「一つの数字では言えない」という事実を、そのまま設計に映しています。性別・体重・赤くなりやすさなどからあなた仕様で推定し、飲んでいる最中の濃度の推移や、抜けるまでのおおよその目安(早い側に寄せず、遅い側に余裕を持たせた目安)をリアルタイムで示します。ひとつの計算では見えない「この先」まで、いっしょに眺めるための道具です。
参考
- [1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールの吸収と分解」
飲み帳が実際にどんな式と一次資料でこれを計算しているかは、予測の方法論で公開しています。
本記事は一般的な情報であり、医学的・法的な助言ではありません。表や数値は説明のための概算で、特定の人の値を示すものではありません。